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「働きたくない」
「働きたいけど働けない」
働かないで生きる方法について、誰でも一度は考えたことがあるはず。
働かない生き方を考える上での問題と解決案を、福祉的な視点から考えます。
- 精神保健福祉士
- 勤務実績:就労移行・就労継続B型・児童発達支援・放デイ
- 現在:精神科クリニックにて相談業務に従事
- 30代。漫画好き。
働かなくてはいけない理由
小学校で習う日本人の三大義務の1つ勤労。
多様な生き方がある現代で、ただ「働くのに理由は必要ない」「義務」と言われても私としてはいまいちピンときません。
ただし現実問題として、働かないとお金が稼げない=生活ができなくなります。
令和4年の内閣府の世論調査では、以下の回答が出ています。
働く目的は何か聞いたところ、「お金を得るために働く」と答えた者の割合が63.3%、「社会の一員として、務めを果たすために働く」と答えた者の割合が11.0%、「自分の才能や能力を発揮するために働く」と答えた者の割合が6.7%、「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合が14.1%となっている。
内閣府大臣官房政府広報室 国民生活に関する世論調査3.生き方,考え方について(2)働く目的は何か
働く目的として「お金を得るために働く」と答えた人は、全体の60%以上にのぼります。
もちろんやりがいや生きがいを持って働いている人もいます。
けれど「お金を稼がなくてはいけないから」という理由が、多くの人にとって働く理由の土台部分を占めていることに間違いはありません。
以下「働かない生き方をしたい」理由と、「はたらかないで生きる方法」を福祉的な視点を持って考えていきます。
働きたくない・働けない理由
「働きたくない」「働けない」大きな理由として、以下の4つが挙げられます。
- 心身の調子が良くない
- 人間関係がしんどい
- 時間拘束がきつい
- 向いていない仕事をしている
①心身の調子が良くない
身体や心を患っているときは、「働きたい」気持ちがあっても思うように働くことができません。
思いばかりが焦ってしまい無茶をすると、状況が悪化してしまうことも。
体調を崩してしまったとき最優先すべきは「働くこと」ではなく、「回復すること」です。
②人間関係がしんどい
働く上で、多かれ少なかれ人との関わりは必ず発生します。
「仕事は嫌いじゃないけれど人間関係がしんどい」となると、働くこと自体が嫌になってしまいます。
③時間拘束がきつい
「毎日決まった時間に出勤・退勤」「残業時間が長い」「休日が少ない」「簡単に休めない」など時間的な制約から、働くことへのしんどさを感じる場面も多々あります。
④向いていない仕事をしている
「自分の希望とは違う」もしくは「やむをえず」自分に向いていない仕事をしていることもあります。
自分自身では仕事内容の不向きに気付いていないこともあり、働くこと自体が向いていないと感じてしまう方もいます。
働かずに生きる方法4選
現代で働かずに生きていく方法を4つ挙げます。
- 親・配偶者・こどもに養ってもらう
- 社会資源を利用する
- 会社(組織)で働かない
- 節約や資産運用で資金をつくる
①親・配偶者・こどもに養ってもらう
金銭的な援助をしてくれる人がいるなら、働かなくとも生活できます。
「金銭面の援助を受けるかわりに家事をする」など、決して一方的でなくお互いに支え合えるメリットもあります。ただし依存的な要素が強く、扶養者との関係性が崩れると辛い状況となるデメリットも。
②社会資源を利用する
心身の体調を崩してしまって社会復帰が難しい・著しく生活が困窮している状況では、複数の公的サービスを利用できる可能性があります。
具体的には、傷病手当・失業保険・障害年金・就労支援施設・福祉手帳・介護サービス・生活保護など。
自分に合った福祉サービスを活用することで経済面の心配が減り、安心して体調回復・生活の立て直しに専念できます。
本人の状態によって利用できるサービスは異なるので、気になる場合は住んでいる地域の役所で確認しましょう。
③会社で働かない
規則的なルーチンや人間関係の複雑さなどが苦手な場合は、出勤しない選択肢もあります。
例えば在宅ワークが可能な組織やフリーランスとなることで、自分の好きな時間の使い方や一定の距離を保っている人間関係を築きやすくなります。
④節約や資産運用で資金をつくる
最近注目されている言葉に、FIRE(Financial Independence, Retire Early)があります。
直訳すると、経済的自由と早期リタイアとのこと。
資産を運用して配当金を得るなどして、働かなくても生活できる環境をつくることを指します。
なんとも魅惑的な言葉ですが、年間300万円ほど必要なら5,000万円程度の資産が必要とされており難易度は高め。
まとめ
- 体調を崩しているなら社会資源を活用する
- 人間関係・就労時間・仕事内容が辛いなら環境を変えてみる
- 節約・資産運用で人生の働く期間を減らす
インフラが整っており、物であふれる豊かな日本。
質素な生活を送っていても最低限の生活は保障されます。情報や物を制限した静かな生活を望む人も少なくありません。
もちろん、たくさん贅沢をしたいのであれば、たくさん稼がないといけません。
けれど質素な生活でも心が豊かなら大丈夫であれば、大金は必要ありません。
自分の周りの人と比較しないだけでも、ずいぶん気持ちと生活がラクになる人も多くいます。
特に、人生の中で上手く働けない時期は社会資源をしっかり活用して焦らないことが重要です。