このページは広告を含む可能性があります
就労支援員ってきつい?人の役に立てそうだけど自分に向いていない仕事は続かなそう。
就労支援員は正直、きつい。私の体験をもとに理由と対処法を紹介するね。
障がいや病気を持つ人や、経済的苦しい人に就職のサポートをする就労支援員。
身近に感じられる機会が少ないため、どんな仕事なのかイメージしづらい・・・。
就労支援がきついと言われる理由には、利用者支援の難しさの他に働く環境面での厳しさがあげられます。
ただし、やりがいがあることも事実です。
この記事では私自身の就労支援員としての経験から、就労支援員として働くことのきつさと対処法を紹介しています。
就労支援員の仕事の裏表を照らすことで、あなたらしく働ける仕事探しの一助となれたら嬉しいです。
- 精神保健福祉士
- 勤務実績:就労移行・就労継続B型・児童発達支援・放デイ
- 現在:精神科クリニックにて相談業務に従事
- 30代。メディカルアロマを勉強中
就労支援員がきつい5つの理由
- 利用者支援が難しい
- 従業員同士の関係がきつい
- 仕事が忙しい
- 時間が不規則
- 給料が低い
①利用者支援が難しい
難しさとやりがいを兼ね揃えているのが利用者支援です。
利用者それぞれがさまざまな背景を持っていることはもちろん、病気や障がいを重複している場合も珍しくありません。
課題達成までの道のりが長い利用者も多くいるため、一人一人に寄り添い将来の希望へ繋がるように支援者の適切な助言や行動が求められます。
中にはストレスが爆発してしまう人もいるため、ストレスの原因や発散方法を利用者と一緒に模索することも重要な役割となります。
結局は人と人の関りなので相性の部分も。人数が確保できている職場なら担当を変更できますが、少ない人数だとそうもいきません。
就労支援に携わるときには、同じ職場の仲間を頼り信頼関係を築くことが不可欠です。
②従業員同士の関係がきつい
就労移行支援施設の中には、常勤2名・パート数名など小規模な事業所も少なくありません。
「利用者支援はやりがいがあるんだけど、上司とのやりとりが…。」と支援とは少し離れた部分の人間関係で悩むこともあります。
見学や面接時などに、上司の人柄や職場の雰囲気、スタッフの利用者への対応をよく観察しておきましょう。
③仕事が忙しい
作業を行う事業所や多くの利用者を抱えている事業所は、スタッフ1人の作業量が多くなることがあります。
「利用者への支援をどこまでするか」という一括りでは決められない問題も各事業所の裁量に任されているため、事業所の考える支援と自身が考える支援に相違がないかも重要なポイントとなります。
作業内容・支援の範囲・残業時間は入職前に必ず確認しておきましょう。
④時間が不規則
就職した利用者のフォローアップを行っている場合、「ナイトサロン」などの名称で夕食会や座談会を行う事業所があります。
利用者が仕事を終えた時間となるため、18時~20時まで実施、その後記録や片付け作業で帰りは21時などに。
実施日は早出・遅出と時間が不規則になる可能性があります。
⑤給料が低い
障害福祉の分野は給料が高くありません。
令和3年度の国税庁が報告する日本人の平均給与は443万円(※1)に対し、、4年度の厚生労働省による障害者福祉指導専門員の全国平均は年収415万円(※2)と平均よりもやや低くなっています。
実際に私が就労移行支援施設で働いていた時の年収も残業20~30時間で年収400~450万程度だったので、妥当な数字だと感じます。
※2 厚生労働省 jobtag
実際に行っていたストレスの対処法
私自身も行っていて有効だった対象法は以下の3つです。
- 休日は仕事のことを考えない
- 小さな疑問や不安は即相談
- 必ず睡眠時間を確保する
休日は仕事のことを考えない
支援の場においてスパッと解決できる問題は少なく、時間を要するものが多いです。
解決してないトラブルはどうしても気になってしまいますが、休日は自身の心身を休ませるために気持ちの区切りをつけることが大切です。
趣味に没頭したり、ストレスで硬くなっている身体を動かしたり、と現場から気持ちを離してリフレッシュを心がけましょう。
小さな疑問や不安は即相談
支援や手続き等で疑問や不安が生じた際は、小さな問題でも溜め込まずに同僚や上司に雑談・相談を持ち掛けましょう。
自分では重大な問題だと思っていた出来事も、人に相談してみると「大したことはなかった」「簡単に解決した」ということも多くあります。
溜め込むとジワジワ心身が蝕まれるから注意!
必ず睡眠時間を確保する
心身の健康に睡眠不足が大きく影響を及ぼすことは紛れもない事実です。
気になる出来事やストレスが溜まると寝付きづらい・眠れない日も出てきますが、1週間単位で考えてきちんと眠れる日をつくりましょう。
軽く運動やストレッチをして身体を疲れさせたり、マッサージやアロマなどリラックスできる方法を試したりして必ず睡眠時間を確保してください。
利用者とのコミュニケーションのコツ
普段から意識している姿勢は、以下の3つです。
- まずは傾聴
- 誠実に謙虚に対応する
- 世話を焼き過ぎない
まずは傾聴する
相談業務に就く際には口をすっぱくして教えられる傾聴ですが、実際の現場でも非常に重要です。
まずは利用者自身の思いを吐き出してもらうことで、気持ちが落ち着いたり整理できたりします。
ただし限られた時間の中で複数人を対応しなければいけないため、目安となる時間の設定や面談日を分割させるなど工夫が必要になります。
誠実に謙虚に対応する
立場的には「支援者と利用者」ですが、うっかりすると「上司と部下」の関係性にお互いが感じてしまう恐れがあります。
作業をする場面では、利用者が職場にいることを想定して「支援者を上司だと思って接する」ような訓練も行いますが、実際は支援者と利用者は対等な立場でなければいけません。
支援施設にいると一般常識から逸れてしまいがちですが、お互いに常識をもって良好な関係性を築くことが良い結果をもたらします。
そうでなくとも病状や性格的な面から繊細な方が多いので、威圧感や不信感を与えてしまわないように謙虚に臨む姿勢が求められます。
世話を焼き過ぎない
精神的な病の場合、病気や症状が原因で長期間自宅や病院から出れない日々を過ごす人も少なくありません。
厚生労働省の報告によると精神科の平均在院日数は274.7日とされています。
長く世間一般から離れていると、働くための動作はもちろん、生活の面でもできないことが多くなります。
けれど「知らない」「慣れていない」だけで、練習を続けていくことで年齢や病気の種類に関係なく成長していきます。
「まだできていないから」と本人ができることまで奪ってフォローしてしまうと、成長を阻害する可能性があります。
できることは自分でやる。できない・苦手なことをどう対処していくのかを一緒に考えていきましょう。
就労支援員のやりがい・メリット
就労支援員には、やりがいやメリットももちろんあります。
- スキルがなくてもチャレンジできる
- 充実感を感じやすい
- 職を失うリスクが低い
スキルがなくてもチャレンジできる
就労支援員や生活支援員は、資格がない未経験者でも採用している事業所が多くあります。
人手不足なこともあり年齢・学歴・職歴のハードルも高くありません。
一般的な常識があれば十分やっていけます。
ただし事業所ごとにカラーがあるため、自分が働きやすそうかどうかの判断はしっかりしましょう。
充実感を感じやすい
利用者と課題の解決に日々取り組むことから、仕事をしている実感を得やすいです。
問題が複雑になるほど、支援者1人では解決できないため、関係機関やキーパーソンとチームになり連携して取り組むことになります。
一朝一夕で解決することが少ない分、解決した際にはチームで信頼感や親密感が高まります。
利用者・元利用者が充実した生活を送っている知らせを受けると、達成感も一塩です。
人生について考えさせられる場面も多いので、支援者自身も仕事や生活の面で成長することもできます。
職を失うリスクが低い
就労支援員を採用している事業所は社会的な役割が重視されており、公的な補助金が出ています。
正常な運営をしていれば潰れることはまずありませんし、もしもの時にも大きめの都市なら再就職も難しくありません。
ただし就労支援員は役割であって資格ではないので、確実性やより広く働く場所を選びたいなら任用資格の「社会福祉主事」、国家資格の「社会福祉士」「精神保健福祉士」などの資格取得を目指しましょう。
病院や公的機関では資格取得者の配置が義務となっており、全国で募集も常にあるので職を失うリスク非常に少なくなります。(ほぼなし)
就労支援員と職業指導員との違い
就労支援員と職業指導員は支援内容が異なります。
- 就労支援員・・・求人応募~就職後フォローまで就労に関すること全般を支援
- 職業指導員・・・就職するための技術面の指導
ただし同じ現場で働く場合、厳密に仕事内容が区切られていることはあまりありません。
状況に合わせて仲間の業務をフォローしていくことが多くあります。
仕事内容は職場によってさまざま
就労支援員の業務は勤め先によって変わりますが、大きく分けると以下の3つです。
- 利用者の就労支援・・・求職就労技術指導・職場定着支援など
- 関係機関との連携・・・ハローワーク・通院先・区役所など
- 就職後のフォロー・・・職場定着のための相談・連絡調整など
利用者本人の支援はもちろん、利用者を取り巻く各関係機関とのやりとりが要です。
就労支援事業所で行う訓練も、事務・清掃・菓子製造など事業所によって作業が異なります。
就労支援に向いてる人・向いていない人
向いている人
- 体力がある
- 人に寄り添える
- 協調性がある
- コミュニケーションが苦でない
- 給料よりもやりがいをとれる
向いていない人
- 共感しすぎて体調を崩す
- 昔ながらのやり方には馴染めない
- 個人プレーが好き
- コミュニケーションは辛い
- 給料はたくさん欲しい
共感しすぎて体調を崩す
自身や身近な人が当事者である場合や性格的な部分で、利用者の辛さに強く共感してしまうことがあります。
感情をコントロールできればいいのですが、強い感情表出により体調を崩してしまうケースも。
共感しすぎてしまう人は、注意が必要です。
昔ながらのやり方には馴染めない・個人プレーが好き
福祉の現場では利益を最優先としていないため、効率を重視した構造にはなっていません。
もちろん時代に合わせた新しいやり方を取り入れていくことも必要ですが、上司・利用者・関係機関等と協調して行動していくことが重要になります。
コミュニケーションは辛い
コミュニケーションをとることが辛くなければ、得意でなくても大丈夫です。
自身もうまくいかない経験がある方が、利用者にも寄り添えるようになります。
給料はたくさん欲しい
こればっかりは・・・。という点が給料面です。
基本給や昇給額は高くありませんし、歩合のような評価体制を採用している場所も少ないです。
ただし公的機関やNPO法人では景気の影響を受けにくいので、安定性はあります。
医療系の福祉職に就くと、看護師達の給料が輝いて見えます・・・。
収入アップの方法
就労支援員をやりながら収入をアップさせる方法には、次の4つがあります。
- 資格手当をもらう
- 管理職になる
- 副業をする
- 職場をかえる
①資格手当をもらう
就労支援員は資格がなくても従事できますが、「社旗福祉士」や「精神保健福祉士」の資格を所持することで資格手当がつくことがあります。
これは資格職を業務配置することで、事業所に加算金が入る+サービスが向上することが起因しています。
社会人となっても働きながら通学、資格試験を受ける人も多くいます。
勤務先に資格手当の制度があれば、1番に選択肢にいれたい給料アップ方法です。
②管理職になる
福祉職を続けつつ給料アップを狙うのであれば、サービス管理責任者(通:サビ管)となりましょう。
管理職になれば最低でも3~5万円の昇給は見込めます。
サビ管は、相談支援・直接支援業務に3~8年従事し、定められた研修と実務要件をクリアすることで取得できます。
詳細は厚生労働省のページで確認できます。
③副業をする
副業ブームとなっている昨今。
本業の他に興味のあることを仕事にしている人も年々増加しています。
今話題の副業としては、
- 動画編集
- イラストレーター
- WEBライター
- ブログ
- Uber Eats 配達パートナー
などがあります。
自分のライフスタイルに合わせて、いつからでも自由に働けます。
ちなみにポイ活は、1カ月間頑張ってやっと1,000円ほどしか貯められないのでおすすめできません。(経験者)
あえて挙げるなら、ポイントサイトの中ではマクロミルがアンケート数が多くて1番でした。
④職場をかえる
最終手段はこれ。
「職種」は変えずとも「職場」変更を検討する余地はおおいにあります。
職場によって業務内容も忙しさも違えば、給料や福利厚生にも小さくない差があるのが事実。
緊急性が特になければ、福祉に強い転職サイトに登録だけしておいて、良い求人があれば検討してみるのが無難です。
「やっぱり福祉職はきつい」ということであれば、改めて職務適正などを診断して今後のコンパスとしましょう。
私も働きながら登録だけして、良い求人がでる機会を待ってました。
まとめ「就労支援員がきついのは本当」
就労支援がきつい5つの理由
- 利用者支援が難しい
- 従業員同士の関係がきつい
- 仕事が忙しい
- 時間が不規則
- 給料が低い
就労支援がきつい仕事なのは本当です。
利用者支援の難しさの他に働き方や給料面から総合的にみて、決して楽な仕事とは言えません。
ただし、やりがいがあることも事実。
1人の人の重要な人生の局面に立ち会うこととなるのでプレッシャーもありますが「自分が関わる人の生活が少しでも豊かになってほしい」とこちらも熱が入ります。
支援の上達は経験を積み勉強していくことが遠いようで1番の近道ですが、「人や作業内容が合わない」という人は就労支援員として新しい職場を検討してみることをおすすめします。